リーダーからのメッセージ

特定教授:升本 英利 (Hidetoshi MASUMOTO, MD, PhD)

masumoto [at] kuhp.kyoto-u.ac.jp


医学博士。再生医療認定医・循環器専門医。1999年京都大学医学部卒。熊本中央病院および静岡市立静岡病院心臓血管外科 医員、米国Louisville大学博士研究員、京都大学iPS細胞研究所特命助教などを経て、2023年より京都大学医学部付属病院心臓血管外科特定准教授、2025年4月より現職。また2017年10月から2025年3月まで理化学研究所生命機能科学研究センター臨床橋渡しプログラム研究リーダーとして研究室を主宰(2025年4月~理研客員主管研究員)。2023年よりNovartis Institute for BioMedical Researchからの国際大型グラント NIBR Global Scholars Programを研究代表者として受領(日本初)。iPS細胞から作製した心臓オルガノイドの構造および機能的成熟化に関する研究を軸に、重症心臓病に対する新たな再生医療の開発、あるいは心臓病の再現による創薬研究に取り組んでいる。

受賞歴

  • 平成31年 第49回 日本心臓血管外科学会 最優秀演題賞
  • 平成25年 第9回 宮崎サイエンスキャンプ 優秀演題賞
  • 平成24年 第33回 日本炎症・再生医学会 最優秀ポスター賞
  • 平成24年 第4回 日本再生医療学会 若手奨励賞(YIA)最優秀賞(基礎研究部門)
  • 平成23年 第32回 日本炎症・再生医学会 優秀演題賞

「再生医療の未来を拓く挑戦へ――次世代循環器医療の革新に向けて」

心血管疾患は、高齢化社会においてますます深刻な課題となっています。しかし、重症心疾患に対する治療法は依然として限られており、新たな治療戦略の開発が急務です。私たちは、iPS細胞を用いた心臓オルガノイドの構築とその機能的成熟化の研究を軸に、再生医療による新しい心疾患治療の実現を目指しています。これにより、移植に依存しない治療の選択肢を提供し、さらには心臓病のモデル化を通じた創薬の加速を図ります。 本プロジェクトでは、基礎研究から臨床応用への橋渡しを強く意識し、医学、工学、製薬、バイオテクノロジーなど多分野の専門家と連携しながら、次世代の循環器医療の確立に取り組んでいます。特に、細胞技術やバイオマテリアルを駆使した新たな治療戦略の開発、そしてそれを実際の医療現場に届けるための仕組み作りを推進しています。 この挑戦には、多くの研究者、医師、企業の協力が欠かせません。異分野が融合し、それぞれの強みを活かしながら共に進むことで、これまでにない革新的な治療法が生まれると信じています。次世代の循環器医療を共に創造し、より多くの患者さんに新たな希望を届けるために、皆さんとともに挑戦を続けていきたいと思います。

主な報道発表

「(扉)「ミニ臓器」オルガノイド、医療の光 がん細胞を培養、仕組み解明・薬の開発に」 2024年11月15日. 朝日新聞朝刊
【理研・京都大学プレスリリース】「「ポストコロナ」で警戒すべき心不全パンデミック -SARS-CoV-2の持続感染は心不全リスクを高める可能性-」 2023年12月23日. 毎日新聞、神戸新聞、共同通信、産経ニュース等にて紹介.
【京都大学プレスリリース】「升本英利 特定助教が日本で初めて世界的研究支援プログラムに選出されました」 2023年2月20日. Novartis Global Scholars Program選出について.
【理研・京都大学プレスリリース】「安全な心臓血管手術のための人工冬眠の可能性 -冬眠様状態の誘導により、虚血から臓器を保護できる-」 2022年11月14日 (理研生命機能科学研究センター 冬眠生物学研究チーム 砂川玄志郎TLとの共同記者会見). NHKニュース(関西版), ABEMAヒルズ, 朝日新聞夕刊, 読売新聞夕刊, 日経新聞夕刊等にて紹介.
【京都大学プレスリリース】「手術負担の少ない内視鏡による心臓表面への細胞シート移植デバイスを開発 -心臓再生医療への応用を目指して-」2020年11月20日.京都新聞、産経新聞、日刊工業新聞、日本経済新聞、読売テレビニュース、テレビ大阪ニュース等にて紹介.
【理研プレスリリース】「iPS細胞でヒト心臓の機能を知る-ハートオンチップ型マイクロデバイスの開発-」2020年11月5日. 日刊工業新聞・理研YouTubeチャンネルにて報道および研究内容紹介.